Japancolorデジタル認証取得

※本記事は、2019年に外部機関に特集を頂いた内容を一部修正して作成しております。

 

7台のデジタル印刷機を「Japan Color」に標準化。さらなる効率化、生産性の向上を目指す

  2009年の開始以来、日本の印刷標準化に貢献してきた「Japan Color認証制度」に2017年5月、新たな認証制度が創設された。

それが「Japan Colorデジタル印刷認証制度」だ。

デジタル印刷認証は認証基準として「ISO/TS 15311-1」を採用、ISO準拠となっている。デジタル印刷認証は、認証取得を希望する会社が申請するデジタル印刷機1台について、正しい色再現ができる状態を日常的に保つことができるかどうかを審査し、色だけでなくデータ管理能力も重視、プリフライトチェックも審査項目となっている。

「色」の基準を「Japan Color」に求める

当社が保有するデジタル印刷機は、デジタル印刷認証を取得した同工場の主力機である富士フイルムデジタルプレスのB2タイプ枚葉デジタル印刷機「Jet Press 720S」(以下Jet Press)を筆頭に、富士ゼロックスの「Iridesse™ Production Press」、「Versant™ 2100 Press」、「Versant™ 3100 Press」など7台。なかでも、Jet Pressは2015年に導入され、ハコプレのビジネス拡大に大きく貢献している。

当社は関東工場以外にも、国内に5工場、タイに2工場を持ち、海外のグループ会社を含め社員数は300人。印刷・紙器・段ボールケースを中心に、その周辺領域へと積極的にトータルソリューションを提供している。提供するサービスは紙器パッケージや紙袋にとどまらず、オリジナルポップの通販製作サービス「ポップレ」も運営し、「ほしいポップを、ほしい時に、ほしい量だけ、ほしい価格で」提供する。

印刷だけでなく、後加工も手がける同社の強みが最大に活かされているのが、これらの通販サービスと言えるだろう。

生田氏は「当社は創業以来、印刷・紙器パッケージの会社としてやってきたが、近年の多品種・小ロット需要の増加、また、少子化などによる市場規模の縮小を見据え、デジタル印刷を活用したオリジナル紙器パッケージを提供するサービス『ハコプレ』を2013年から開始した。幸い、事業は順調に推移し、デジタル印刷機も先日導入した新型機を併せて、7台まで増やした。『ポップレ』など提供するサービスも広がり、仕事に応じて7台のデジタル機を使い分けている」と語る。

「ウェブ通販はトレンドの動向が激しいが、非常に面白い。最初はウェブで注文が来るかと不安だったが、ハコプレ事業は順調に伸びてきた。社内でもこれから一番伸びる分野だと期待している」と生田氏は力強い。

同社ではハコプレのように実際に対面せず、ウェブ上で商談を進めるケースも多く、今回のデジタル印刷認証の取得にあたっては、「クライアントに『Japan color』という基準を提示することで安心感や信頼感を持ってもらえるのではないかと考えた」(生田氏)。

また、社内ではデジタル印刷機はそれぞれが独自に稼働しており、「色」に関しては社内に明確な基準を設けていなかった。

事業の拡大とともに、設備が拡大していったが、それぞれがばらばらに稼働していたのでは、効率性などに課題が残る。「方向性を定める『フラッグ』が必要」(生田氏)になったのだ。

パッケージの印刷といえば「特色」のイメージが強いが、「どうしても特色でしか刷れない、コーポレートカラーなどこだわりのある色の場合はオフセットで刷るが、そうでなければ、色の安定性が高いデジタル印刷機の方が安定した品質で提供できる」(生田氏)のだという。

以上、二つの点から同社では「Japan Colorデジタル印刷認証」の取得を目指すことになった。

数ある中からJet Pressを選択したのは、メーカーへの信頼と実績を考慮したからだ。

そして、実際の取得についても、プロファイラーソフトと分光光度計を購入し、ICCプロファイルを出力して行ったが、「それほど大きな問題はなかった」と生田氏は言う。

「将来的な標準化のため、導入時からJet PressにはJapan Colorをターゲットにした設定をしていた。実際に、最初から基準に近い数字が出たので、改めて優秀な機械だと感じた。粉体トナー機で取得された会社さんはいろいろな苦労があったと聞いているが、当社では印刷機での苦労はほとんどなかった」(生田氏)。

当初からJet PressにJapan Colorに近い設定をしていたように、同社のデジタル印刷認証の取得は、必然の流れだったともいえるだろう。

 

色への意識を高めるきっかけに 

「取得にあまり苦労はなかった」と語る生田氏だが、それゆえの懸念もある。

「今まではオフセット印刷を経験して、色を合わせる苦労を知っている人間がデジタル印刷機のオペレータになっている。しかし、これから現場に来る若い世代は、オフセット印刷を知らずにデジタル印刷機のオペレータになってしまう。デジタル印刷機は安定性が担保されているので、ボタンを押すだけで『色』が出る。そうなると『色の品質』に対する意識が育たないままになってしまうのではないか」(生田氏)。

取得までは、印刷機の高い性能もあり、順調だった。しかし、今後の課題は「この状態を維持することだ」と生田氏は強調する。

そこで、同社では色に関する勉強会を開催するなどして、色管理の大切さなどを学ぶ機会を設けているという。

「ただ『管理しろ』というだけではなく、管理することでクライアントに安心感を与え、自社の色味に自信を持って、色味の注文に対しても的確に対応できるようになるなどのメリットを理解してもらえるようにしている」(生田氏)。

また、同社のようにウェブでの販売に強みを持つ会社には、「Japan Color」はクライアントとのコンセンサスを得るのに重要となる。

「デジタル化が進む中で、最初から製品に近い状態でクライアントの手に渡ることも多くなってくる。単純に、基準値に収まっているから問題ない、となるわけではないが、『基準』がなければ話すこともできない」(生田氏)。

しかし、生田氏からはJapan Colorに対し、こんな要望も寄せられる。

「当社はB to Bの仕事がほとんどだが、ウェブ上ではB to Cの取引もある。確かに、ある程度印刷の知識を持っている方にはJapan Colorといえば安心して貰えるが、Cに近いクライアントには、Japan Colorとは、という話からしなくてはならない。『to C』に向けても、もう少し広くアピールしてほしい。そうすれば、Japan Color認証の取得の価値がより大きくなる」

実際に、海外では、多くのブランドオーナーが参加する色の基準があり、アジア圏での普及にも力を入れ始めている。

デジタル印刷認証に限らず、今後もJapan Color認証取得に取り組む印刷会社は途切れることがないだろう。

しかし、取得した認証が最大限に活かせるような環境を整えるためには、今後は、運営のさらなる取組みや印刷会社との協業も必要になりそうだ。

 

 すべての印刷機を「Japan Color」に合わせ、効率化を

 現在、同社ではすべてのデジタル印刷機を、デジタル印刷認証を取得したJet Pressを基準にして標準化に取り組んでいる。

「デジタル認証を取得したJet Pressに合わせておけば、販促などの仕事で同じような絵柄でポスターやポップを刷る場合、ポスターはJet Pressで、ポップはPOD機でと使い分けても色がぶれることがなくなるので、効率化が図れる」(生田氏)

最終的に、オフセット印刷機もJapan Colorを基準とすることで、デジタルでもオフセットでも色のブレがないという生産体制になれば、生産性が向上するだけでなく、さらなる効率化も図れる。

「デジタルでも、オフセットでも、というシームレスな生産体制」(生田氏)を築くことができれば、同社の通販サービスは他のサービスを大きく引き離すことになるだろう。

そういった点からも、今回、紙器パッケージの印刷を主力事業とする同社が、「Japan Colorデジタル印刷認証」を取得したのは、デジタル化が進む現代の象徴ともいえる。

パッケージの印刷通販という新ビジネスにいち早く乗り出した同社は、積極的な設備投資でも他の先を行く。Japan Colorを基準とし、デジタルでもオフセットでも、というシームレスな生産体制を築くのもそう遠い未来ではないかもしれない。

今回のデジタル印刷認証の取得はその理想の一歩になるだろう。

Contact

お問い合わせ

メールから
お電話から
Kyoshin’s SDGs

SDGs取組

株式会社共進ペイパー&パッケージは、2015年9月、国連本部で開催された「国連持続可能な開発サミット」において、193の加盟国による全会一致で採択された「持続可能な開発目標(SDGs)」を「パッケージで世の中のハピネスを生み出す」Visionに基づき、積極的に取り組んで参ります。